2016-01-01から1年間の記事一覧
人工知能が医療に本格的に関わると、どのような変化が起きるでしょうか。その前に一つ、医師が人工知能によって代替可能か、というお話をします。人工知能によって、多くの職業が代替可能になり、失われるのではないかと言われています。概して、そのような…
さて、ここまで医療で扱う情報をメインに話が進みました。実は、これまでの段階では人工知能(AI)は必要ありません。AIの果たす重要な役割、それは「データの解析」です。というのも、これまでお話した、24時間にもわたる生体データは、データの量が多くて…
前回までは、現段階でできることについて書きました。今回は、データのイノベーションについてです。ウェアラブルセンサーの発達によって、その人のデータを24時間ずっと計測することが可能となりました。その情報量たるや、これまでの一日に一回などの計…
昨日に引き続き、居眠り運転について書いていきます。アメリカの調査では、居眠り運転は年間83000の交通事故を起こし、1000人の死亡、71000のケガ人につながるだろうという報告があります。しかし、これは過小評価だという指摘もあります。なぜなら、運転手…
運転していると眠くなることってありますよね?ふと気づくと対向車線にはみ出してしまうなど、皆さんも経験があるのではないでしょうか。交通事故の死亡者数は年々減少傾向です。けれども、自動運転でもないかぎり、完全にはゼロにならないでしょう。それに…
これまで、センサーの種類、センサーで測定可能なもの、について述べてきました。これで、ようやく人体の活動を「変数」としてセンサーで計測可能です。現時点でもできることは幅広いです。例えば、EWSというものを以前紹介しました。EWSとは、early warning…
論文を調べていると、面白いものを見つけました。要は、ダイエット方法は様々なものがあるが、結局どのダイエット方法を選ぶかよりも継続することが最も重要だ、というものです。Int J Obes (Lond). 2008 Jun;32(6):985-91. doi: 10.1038/ijo.2008.8. Epub 2…
4. 酸素飽和度血液中のヘモグロビンと呼ばれる鉄成分がどれくらい酸素と結合しているかを測定するものです。肺炎などで肺の機能が落ちていると、十分に酸素を取り込めないため、ヘモグロビンは酸素と結合できません。ヘモグロビンは普段は黒っぽい色をしてい…
昨日は、現在実用化されているセンサーの種類についてお話ししました。では、現在のところセンサーで計測可能なものはなんでしょうか。先日も述べましたが、計測可能な代表例は、バイタルサインと呼ばれるものです。1. 体温体温は、感染症や炎症を起こしてい…
前回、センサーの話に少し触れました。その後、資料をみつけたので少し詳しく述べます。現在のセンサーはおおまかに四種類に分けられます。一つは、インプラント型、つまり埋め込むタイプのものです。"impalantable"これは、例えば薬に埋め込むことで、その…
このたび、被災地支援のために、Kindle Direct Publishingというサービスを使って、個人出版を行いました。http://www.amazon.co.jp/dp/B01EWFG47Q内容は、予防医学に関するもので、50歳前後の方におすすめの一冊です。最新の、エビデンスが確立している予…
先に述べたように、ヒトの体にはバイタルサインをはじめとする様々な「変数」があります。このような「変数」を、どのようにして人工知能へ入力するのでしょうか。ヒトが入力するようでは労力がかかりますし、書き写すときのミスなどが生じるため不正確です…
前回は、人工知能の現状について、ご紹介しました。では、医療との関わりはどのようになるでしょうか。囲碁のように簡単に進歩することはありません。囲碁とは、自分と相手しかいない、いわば変数が二つしかないゲームです。ルールも、交互に、決められた領…
Fresh Fruit Consumption and Major Cardiovascular Disease in ChinaN Engl J Med 2016;374:1332-43.DOI: 10.1056/NEJMoa1501451中国からの論文です。成人を対象に、フルーツ摂取量と血圧、血糖、冠動脈疾患の割合を調べました。すると、フルーツ摂取量が多…
AIと医療を考えるうえで、最近のAIが成し遂げた功績について紹介します。平成二十八年一月、人工知能(AI)が快挙を成し遂げました。グーグル社の開発したAIが、ヨーロッパチャンピオン ファン・フイとの五番勝負で、全勝してしまったのです。Mastering the …
Long-term effects of the Niigata-Chuetsu earthquake in Japan on acute myocardial infarction mortality: an analysis of death certificate data<内容>死亡統計を利用して、心筋梗塞による死亡率をみたところ、震災後3年にわたって人口あたりの死亡…
読書家の皆さんAmazonStudentのご紹介です。私が以前大学院生になったとき、学生証をもらって真っ先にやったのがamazonstudentへの登録でした。本が実質一割引きで買えるため、大学生協に行く必要がなくなりますし、会員費の元がすぐとれます。amazonプライ…
Who Is at Risk of Death in an Earthquake?Am. J. Epidemiol. (2004) 160 (7): 688-695.震災関連の論文紹介です。台湾地震後に行われた研究です。<内容>月給が台湾ドルで$40000以上の人に比べて、$20000以下の人は死亡率が2倍、$20000~39999の人は1…
三菱自動車の燃費不正騒動について。企業体質の改善は難しいんだなと感じさせる。しかし何よりも、この熊本地震の混乱のなかで記者会見を行うという姿勢が問題だろう。この混乱であれば、メディアでの扱いも小さくなるだろうという思惑が働いたに違いない。 …
いっときお休みしていたブログを再開。めぼしい書評はすべて別のところに移動とした。適当に書き散らしていこう。