野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

AIと医療 センサーで感知可能なもの:後編

4. 酸素飽和度
血液中のヘモグロビンと呼ばれる鉄成分がどれくらい酸素と結合しているかを測定するものです。肺炎などで肺の機能が落ちていると、十分に酸素を取り込めないため、ヘモグロビンは酸素と結合できません。ヘモグロビンは普段は黒っぽい色をしていますが、酸素と結合すると赤く見えます。酸素飽和度のセンサーは私達の動脈に流れる血液が「どれくらい赤いか」を測定しています。つまり、爪の表面から赤い光をあてると、血液が赤ければ赤いほど、つまり血液中に酸素が豊富であるほど、赤い光は吸収されずに指を通過します。これをセンサーで判断しているのです。
医療現場では指先にクリップのようなセンサーをつけて測定しますが、これの一方から赤い光が出ており、もう一方でその通過した光を測定しています。
現時点では、爪や耳、おでこなど限られた場所でしか測定できません。

5. 呼吸回数
文字通り、呼吸する回数です。こちらは医療現場でもおろそかにされやすいバイタルサインなのですが、意外と重要な意味を持っています。人間の体は、酸素飽和度が下がる前に、呼吸回数をあげて対応します。したがって、肺の機能異常を早期発見できる可能性があります。測定方法ですが、医療現場では、医師が胸の動きを見ながらカウントしています。センサーを用いた測定だと、胸の周囲にバンドを巻くことで胸の動きをカウントするもの、鼻にセンサーをつけて息を吸い込んだ回数をカウントするもの、患者が寝ているときにレーダーを用いて胸の動きをカウントするもの、などがあります。

6. その他
以上で、現在センサーによって計測可能な医療的な指標はおしまいです。まだまだ非常に少ないですね。ほかには汗のpHを測定するものもあります。{Coyle, 2009 #2750}pHを測定することでスポーツのパフォーマンスを評価するようですが、まだ実用化には遠いようです。