野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

AIと医療 センサーで感知可能なもの:前編

昨日は、現在実用化されているセンサーの種類についてお話ししました。

では、現在のところセンサーで計測可能なものはなんでしょうか。
先日も述べましたが、計測可能な代表例は、バイタルサインと呼ばれるものです。

1. 体温
体温は、感染症や炎症を起こしていると上昇します。一方で、外部温度が低いと体の温度調節機能の機能が追いつかなくなり、体温が低下していきます。最も正確な体温は深部体温と呼ばれるもので、通常は膀胱や直腸に温度計を入れることで計測します。
現在のセンサーで、日常的に直腸や膀胱に入れっぱなしにすることができるセンサーは存在しないため、通常は体表温度、つまり脇の下の温度などを計測することになります。
精度は、体表温度は外部環境や発汗の度合いなどによって影響を受けますから、その分を補正する必要があります。とはいえ、体表温度は医療現場や日常でも一般的に使われているように、からだの異常を見抜くためには十分精度が高い指標と言えるでしょう。

2. 心電図
心電図は、心臓の電気信号を読み取るために重要です。心臓のリズムであったり、心臓内の電気信号の乱れを見つけることが可能です。
心電図は電気の流れを読み取ることが必要のため、センサーは原則として二つ必要です。A地点、B地点に電極をつけることで初めてAからBへの流れを計測することができるからです。
そこで、胸に電極を貼るタイプのセンサーが登場しています。
精度についてですが、心電図は体温以上に影響を受けやすいので。筋肉信号も電気信号ですから、体が動くと心電図にも大きくノイズが入ります。そのノイズが、不整脈が原因なのかただの雑音なのか、センサーをつけている本人の症状などもあわせて考える必要があるでしょう。

3. 血圧
血圧は、心臓が血液を送り出す圧力です。現在は、腕に腕帯を巻いてポンプで加圧し、一時的に血流を止めることで血液の圧力を測定します。現在は腕ではなく手首につけるものもあります。
血圧の測定自体はこれで問題ないのですが、日常的な計測としては問題があります。
皆さんも血圧を測定したことがあるでしょうが、そのときに安静であったはずです。
歩きながら血圧を測定することは困難ですし、ウェアラブル端末によって1時間おきに腕が締め付けられるのは気持ちいいものではないでしょう。
そこで、現在は脈波伝播速度というものを利用する血圧計が出てきました。これは、心臓が送り出した血液が指まで届くまでにかかる時間を測定するもので、これを計測することで収縮期血圧を予測することが可能だと言われています。{Fung, 2004 #2749}

次回は、その他の計測可能なものについて。