野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

AIと医療 ~センサーの話~

前回、センサーの話に少し触れました。

その後、資料をみつけたので少し詳しく述べます。

現在のセンサーはおおまかに四種類に分けられます。

一つは、インプラント型、つまり埋め込むタイプのものです。"impalantable"
これは、例えば薬に埋め込むことで、その薬が体内で最適の濃度になるように調節するようなものです。抗けいれん薬など、濃度調節が重要なタイプには有用です。大塚製薬などは、この形式のセンサーを患者さんが薬を飲んだかどうかの確認に使おうとしています。抗精神病薬は、継続して飲むことが重要な一方で、患者さん自身が病気のことを理解していないことがあります。そうなると、薬の飲み忘れが生じ、せっかくうまくいっていた治療も効果がなくなってしまいます。抗精神病薬にセンサーを埋め込むことで、患者さんが薬をきちんと飲んでいるかどうかがわかり、飲んでいない場合は早めに介入することが可能となります。
Novel methods of antiepileptic drug delivery — Polymer-based implants☆ Amy J. Halliday a, Simon E. Moulton b, Gordon G. Wallace b, Mark J. Cook

二つめは、体内型、つまり体の中に入れるタイプのものです。"in-vivo devices"
カプセル内視鏡などが有名でしょうか。現在は、胃カメラを行うときに口や鼻からファイバーを入れていますが、将来はカプセル型のカメラを飲み込むだけで写真をとることができるかもしれません。
さらに、このタイプの装置では、ファイバーが届かなかった小腸なども観測可能となります。
いまは、カメラを飲むということしかできないため、観測範囲は消化管に限られますが、マイクロロボットなどの技術が進歩すれば、肝臓のなかを計測したり、さらには血管のなかを流れるロボットが出てくるかもしれません。
Swallowable Wireless Capsule Endoscopy: Progress and Technical Challenges
Guobing Pan1 and Litong Wang2

三つめは、ウェアラブル、つまり身に付けるタイプのものです。"wearable sensors"
アップルウォッチなどの出現で日本でも有名でしょう。ほかにも様々な端末が実用化されています。Googleが開発したGoogle glassは一度は市場から退場しましたが、いずれ復活するでしょう。
医療現場では、胸にとりつけることで心電図を計測するタイプのセンサーも出てきているようです。
Clip-on Wireless Wearable Microwave Sensor for Ambulatory Cardiac Monitoring
Richard R. Fletcher, Member, IEEE, and Sarang Kulkarni


四つめは、レーダー型です。"non-contrast radar measurements"
道路の測量に使っている機械をイメージしていただけると分かりやすいですが、これを人体に使うことで、体に触れずに心拍や呼吸数を測定するという技術が実用化されています。
C. Li, J. Cummings, J. Lam, E. Graves and W. Wu, "Radar remote monitoring of vital signs," in IEEE Microwave Magazine, vol. 10, no. 1, pp. 47-56, February 2009.
Novel signal processing techniques for Doppler radar cardiopulmonary sensing
- Dennis R. Morgan, Michael G. Zierdt

いわば、体の外から体をスキャンするというタイプのセンサーです。
映画『マイノリティ・レポート』では、虹彩を駅のカメラなどがスキャンしていましたが、それもこのタイプと言えるでしょう。

現在はウェアラブル端末がブームのため、三つめが取り上げられがちですが、きちんと分類するとこれだけの種類があるようです。