野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

【AIと医療】AIの役割

さて、ここまで医療で扱う情報をメインに話が進みました。実は、これまでの段階では人工知能AI)は必要ありません。

AIの果たす重要な役割、それは「データの解析」です。というのも、これまでお話した、24時間にもわたる生体データは、データの量が多くて人力では解析は出来ません。特に、これまで計測可能だったバイタルサインなどであれば、解析方法が決まっています。異常値もわかっているので、アラートを出すことも容易です。

しかし、先に書いたとおり、日内変動するものなどこれまで計測できなかったデータは、異常値も分かりませんし、解析方法も確立していません。このようなデータの解析に人工知能が活躍します。

人工知能を使えば、今まで計測してこなかったデータの正常値を見抜くこともできます。さらに、他のデータベースと組み合わせることで、ある異常値がどのような病気と関連しているかをすぐに検出することが可能です。

さらに、人工知能がすぐれていることは、データが蓄積されるほど精度が増すということです。人力であれば、データが増えるほどに解析が煩雑になりますし、解析に時間がかかります。しかし人工知能であれば、データが増えるほどに学習してデータの精度が増します。従って、ある人がどのような病気のサインを出しているかをより正確に見抜くことができるようになると期待されます。

人工知能のなかには、自然言語処理といって、人間の言語を解析するタイプもあります。これを使うと、人間が話した内容を解析して、その意味を汲み取ることが可能です。どちらかと言うと従来の医療に近い形です。このタイプによって、問診データが解析される可能性もあります。


しかし、わたしはこのタイプの人工知能が医療で主流になるとは思いません。なぜなら、人工知能にとっては「O情報」を扱う方が「S情報」よりも得意だからです。問診というデータは患者さんによって幅がありますし、質問をするにも技術が必要です。それよりは、その人の声色、単語量、目の動き、肌、汗などのデータから病気を見抜く方がより適切なものになるかと思います。