野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

AIと医療③

先に述べたように、ヒトの体にはバイタルサインをはじめとする様々な「変数」があります。
このような「変数」を、どのようにして人工知能へ入力するのでしょうか。
ヒトが入力するようでは労力がかかりますし、書き写すときのミスなどが生じるため不正確です。

そこで、技術の進歩が登場します。
まずはIoT(Internet of Things)です。モノのインターネット化がすすむことで、計測機器が結果を直接送信できるようになりました。スマホにデータを送信する体重計など、皆さんのご家庭にもあるかもしれません。
これでデータ入力の煩雑さや、ミスの出現を防ぐことができます。

さらにもう一つ、重要な技術がセンサーです。いまやセンサーは様々な情報をとることができます。
代表的なものは、位置情報(GIS: Geographic Information System)です。カーナビもそうですし、コンビニの出店などにも用いられることがあります。さらに、ウェアラブル端末が普及することで、体温などバイタルサインの一部も計測するセンサーが出てきました。アップルウォッチには、酸素飽和度センサーも内蔵されているようです。今後、東レはセンサーを埋め込んだ繊維を開発していますし、大塚製薬は薬にセンサーを埋め込みました。
今後、私たちはセンサーに囲まれた生活から逃れられません。ジェレミー・リフキン氏によると、IoTにつながるセンサーは二〇〇七年では一◯◯◯万個、二〇一三年には三十五億個へと増加しており、二〇三〇年には一〇〇兆個に上るそうです。(『限界費用ゼロ社会』)現在でもすでに、これだけ膨大なセンサーに囲まれているのです。

こうなると、多くのデータをとることができます。体温、血圧などのこれまで計測されてきたバイタルサインもそうですが、移動距離、発汗、さらには体温分布など、これまで計測ができなかった、もしくは計測するには煩雑であったデータ、つまり「変数」をとることが出来ます。

こうして、センサーによる人間活動の変数の抽出が現実となりました。しかも、これまでの医学が使わなかった変数も数多くあります。

大量の変数が流れてきて、医療現場はどのように変化するでしょうか。
それはまた次回。