野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

【論文】居眠り運転を起こしやすいドライバー5/5

■その他の職業

長く続いた、居眠り運転シリーズ。ドライバー編もこれで最後です。
最後は、その他の職業について一気にご紹介します。

◯医師
調査の対象になりやすいということもあるでしょうが、医師も居眠り運転をしやすい職業のようです。特に、勤務一年目で当直をした状態では危ないと言われています。二七三七人の研修医を調べた研究では、二四時間以上勤務した後の研修医は、通常勤務に比べて、居眠りによる事故を起こす危険が二・三倍、ニアミス事故を起こす危険は五・九倍となりました。二四時間以上の勤務が月に一つあるごとに、居眠り事故を起こす確率が九%増えるという結果もあります。この結果を元に、アメリカでは研修医の勤務時間制限が設けられました。
恥ずかしながら、私も当直明けに自損事故を起こしたことがあります。そのことも、居眠り運転についてまとめようと思ったきっかけの一つです。本来なら、当直後には休憩をとるべきなのでしょうが、それができる病院はほとんどないでしょう。

◯警察官
警察官は、不眠症などになりやすいようです。
ある研究によると、約五〇〇〇人のアメリカ、カナダの警察官が睡眠障害であるようです。さらに、睡眠障害を持っていると診断されたのは四〇%、居眠り運転を経験したことがあるのは四六%、居眠り運転を二ヶ月以内に経験したのは二六%でした。

◯夜勤の仕事、交代勤務の仕事
このような仕事は、睡眠不足のうえ、体内リズムが狂いやすい早朝に運転するため、交通事故を起こす危険が高いです。夜勤後の人にサーキットを運転させた研究では、一六人の夜勤後ドライバーのうち三八%が事故をおこしかけ、四四%は安全上の運転から運転を中止させる結果となりました。一方で、十分に睡眠をとったドライバー一六人は、事故をおこしかけた人も運転中止となった人も〇人でした。


参考文献:
Barger, L.K., et al., Extended work shifts and the risk of motor vehicle crashes among interns. N Engl J Med, 2005. 352(2): p. 125-34.
Landrigan, C.P., et al., Effects of the accreditation council for graduate medical education duty hour limits on sleep, work hours, and safety. Pediatrics, 2008. 122(2): p. 250-8.
Antiel, R.M., et al., Duty hour recommendations and implications for meeting the ACGME core competencies: views of residency directors. Mayo Clin Proc, 2011. 86(3): p. 185-91.
Rajaratnam, S.M., et al., Sleep disorders, health, and safety in police officers. JAMA, 2011. 306(23): p. 2567-78.
Lee, M.L., et al., High risk of near-crash driving events following night-shift work. Proc Natl Acad Sci U S A, 2016. 113(1): p. 176-81.