20-30代の勤務医向け①:やりたいことの優先順位をつけよう
前回、勤務医の将来は安泰ではないという話をしましたが、じゃあどうすればいいのか、というのを若手向けに書いてみます。
①やりたいことに優先順位をつける
若い学生さんや医師でよくいるのが、「まずは専門医をとって学位もとって、それから留学して、帰ってきたら異分野との共同研究とかもしたいです」という夢を語るタイプ。
素晴らしいです。その志は。
しかし、その夢は、どうみても自分の言葉ではありません。
医局の典型的なキャリアの域を出ていないからです。
それでは将来は暗いです。時代の変化に対応できません。
まず将来やりたいことに優先順位をつけましょう。
お金稼ぎ、医師としての技術修練、他分野との共同研究、家族の時間、女性関係、趣味、専門医などの資格取得、地域への貢献、アカデミックキャリア、知名度、、
変わっても問題ありません。
大切なのは自分の頭で考え、悩む癖をつけることです。
そうすれば、どんなに時代が変わっても本質を見失うことはありません。
例えば先程の例の方だと、明らかに専門医を取る必要がありません。
専門医制度が変わり、専門医制度更新のハードルがあがりました。
改悪とは言えますが、よく言えば、踏ん切りをつけやすくなりました。
つまり、一生専門医資格に頼る人以外は専門医を取る意味がなくなりました。
(一生専門医資格に頼る人…これまで見たことがないですが、専門医をとった直後に開業して、その人にとってのアイデンティティが専門医資格しかない人、とかでしょうか?)
本来は専門医資格は専門家キャリアとしての入り口を証明するものでしかないので、あまり取得自体に意味がありません。
自分のやりたいことが他の道にあるなら、わざわざ学会のおじいちゃまの作ったルールに従うのは時間の無駄です。
異分野との共同研究が最終的にしたいのなら、若いうちからした方がいいですし、わざわざ遠回りする必要はないでしょう。
そして、それをリスクが高い、つまり食えなくなるリスクがあると思うなら、そのヘッジは専門医資格や留学ではないはずです。
将来どんなことしたいの?と聞かれたら「将来は○○をしたい」、「○○な医師を目指しています」と一言で答えられるようにしましょう。
質問する側も、「何科に進みたいの?」というスケールの小さな話ではなく、その人の本質的な価値観を知る質問ができるようになりたいものです。