野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

【JAMA】ハンディキャップのある医学生の教育支援について

Association of MCAT Scores Obtained With Standard vs Extra Administration Time With Medical School Admission, Medical Student Performance, and Time to Graduation

JAMAより。今回の論文は教育系です。サラッと述べます。

精神障害・身体障害のある学生向けに、医学部受験(MCAT)の受験時間を長くするという制度があるようです。

それを使う学生と健常学生との比較を行った論文です。

<結果>
MCAT合格率は有意差はありませんでした。
ハンディキャップは補えられていたということでしょうか。
(延長の効果をみるための研究ではないので、本当にそうかは分かりませんが)
健常学生…44.5% (59585/133962)
時間延長学生…43.9% (191/435)

ですが、医師免許試験の合格率で差がありました。
Step 1(主に基礎医学系)では、
健常学生…94.0% (70188/74668)
時間延長学生…82.1% (344/419)

Step 2 CK(主に臨床医学系)では、
健常学生…95.4% (70476/73866)
時間延長学生…85.5% (349/408)

その結果、4年間で医学部を卒業できた学生の割合は、
アメリカはメディカルスクール制なので医学部卒業は最短で4年です)
健常学生…86.1% (60547/70305)
時間延長学生…67.2% (285/424)
と、障害のある学生は卒業まで時間がかかるという結果です。

<感想>
アメリカのいいところが現れた論文だと思います。
まず、機会の平等を高等教育でも実現しようとして、障害のある学生のハンディを少なくする制度を導入しているところ。
次に、その制度の結果を研究という形でなるべく客観的に評価しようとしているところ。
この文化は尊敬します。

論文の内容としては、入試だけでなく卒業まで面倒をみましょうと、「カリキュラムのバリアフリー化」を推奨しています。
この概念、面白いですね。