野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

【書評】下流老人 一億総老後崩壊の衝撃★★

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 藤田孝典

【まとめ】
所要時間は30分。
「やたら煽るねえ」というのが感想です。
筆者は優しいから危機感を持つのでしょうが、結局自己責任でしょ、と思ってしまいます。

【筆者紹介】
藤田孝典
社会福祉士。首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー

【感想】
高齢者の貧困の例がたくさん書いてあります。
年金制度ができた時代は、「子供と持ち家で暮らす」モデルだったので、いまの一人暮らし高齢者にとっては年金支給額が少ないという主張は分かります。

しかし、じゃあ足りないなら誰かと住めば?と思ってしまいます。
結婚していればもう少し楽ですし、子供がたくさんいれば仕送りだって期待できます。

現状打開案についても真剣に考えるべきです。
『「そうなる前に家賃の低い地方へ引っ越せばいいではないか」という声もあるが、それは多くの高齢者にとって非現実的な話』
いやいや非現実的と言い切る前に、現状打開策を考えるべきです。
引越し費用を前借りして安い地域に住めば、数ヶ月で元がとれます。

全体を通して、結局若いうちの投資が足りなかった、と言わざるを得ません。
投資といっても何も金融資産を増やせと言っているのではありません。
結婚だって、子供をたくさんつくることだって、全部投資です。
子育てにはお金がかかるかもしれませんが、お金をかけるだけ老後の経済リスクをヘッジできます。

私は、低~中所得層向けのファイナンシャル・プランナーがいてもいいのかなと思います。
こういうときはこういう保障がありますよ、と。

少なくとも現時点では、日本の社会保障制度をうまく使えばほとんど野垂れ死にはないでしょう。
手を差し伸べているのに、「誰の助けにもなりたくない」という人は、もう仕方ありません。
治療拒否患者を治療するのは、医療者のエゴでしかないわけですから。