【NEJM】禁煙率を高める方法が明らかに!
N Engl J Med. 2015 May 28;372(22):2108-17. doi: 10.1056/NEJMoa1414293. Epub 2015 May 13.
Randomized trial of four financial-incentive programs for smoking cessation.
金銭的な見返りを使った禁煙への啓発活動はよく行われているが、それが効果があるのかについて検証した研究です。
【内容】
禁煙に成功した際に金銭的な見返りがある方法を2通り用意します。
・一つはデポジット型、つまり、最初に150$を預けます。
禁煙に成功→合計800$をゲット、(650$の得)
禁煙に失敗→150$は返ってこない
・もう一つはデポジットなし、つまり
禁煙に成功→800$をゲット
禁煙に失敗→ゼロ
この2つの方法と、既存の通常治療(生活指導、行動療法、ニコチン治療)とを比べています。
さらに、これを個人単位で行う場合と、グループ単位で行う場合、で比較しています。
結果は、治療開始6ヶ月後の禁煙成功率は、金銭見返りありで9.4~16%と、通常の治療方法6.0%に比べて高くなっていました。
デポジットありの治療は、受け入れ率が14%と非常に低かった。
グループでの治療は、個人で行った場合とくらべても変わらなかった。
【感想】
この研究は、NIHとCVS社によって資金提供を受けています。
NIHは言わずと知れたアメリカ国立衛生研究所です。
CVS社は、アメリカの大手ドラッグストアチェーンです。
最近では、タバコの販売をとりやめたことで話題になるなどしています。
この研究は面白いです。
グループでの禁煙(断酒会のような)などの可能性が言われていましたが、
グループでやっても個人でやっても結局カネで釣ればいいのよと…。
夢はありませんが、確かに現実はそうかもしれません。
禁煙キャンペーン、カネで釣りましょうか。
カネで釣って、その後タバコを1000円にすれば、喫煙率はガクンと減るのではないでしょうか?