野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

【NEJM】再発の転移性結腸・直腸癌に対するTAS-102治療の第三相ランダム化試験

Randomized Trial of TAS-102 for Refractory Metastatic Colorectal Cancer
再発の転移性結腸・直腸癌に対するTAS-102治療の第三相ランダム化試験

大鵬薬品(現在は大塚ホールディング傘下)が作った抗がん剤「ロンサーフ」に関する臨床試験です。
<内容>
800人の再発転移性結腸・直腸癌患者を対象にして、2:1で投与群とプラセボ群での比較です。
生存期間の中央値は、投与群で有意に延長していました。(投与群7.1ヶ月vsプラセボ群5.3ヶ月)死亡率はプラセボ群に比べて0.68倍に低下しました。
副作用は、投与患者の38%に好中球減少が認められ、1名が死亡しました。
全身の症状悪化でPS(全身状態の指標)が0-1(家事、軽い作業が出来る程度)よりも悪化するまでの期間は、投与群で5.7ヶ月、プラセボ群で4ヶ月でした。

最近はQOLが重視されているため、PSの評価まで書いてあります。
簡単に言うと、「この薬を飲めば2ヶ月長く生きますよ」と言っていたのが、「この薬を飲めば2ヶ月元気に長く生きますよ」と言える様になりました。
PS2以上での生存期間はほぼ一緒のようなので、薬によって、入院するまでの期間が延びたとも言えます。入院した後の延命までは出来ないと。
臨床的には意味があるかと思います。家族的にも。

<経済情報> もちろんですが、大鵬薬品が研究費を出しています。もともとは日本発の抗がん剤「TS-1」を作った会社です。がんばれ日本企業。