野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

ヘルス 2.0 時代はいつ来るのか?

「ヘルス2.0」という言葉が言われて、もう10年以上経過しています。
webは3.0にまでなろうとしていますが、医療の方は進んでいません。

勘違いしている方も多いですが、「ヘルス2.0」とは医療にIT技術を導入することではありません。
手術室にiPadを持ち込むとか、人体へのプロジェクションマッピングなどの例が取りあげられることが多いですが、これらは技術を医療に応用しているだけ、いわば「正当な進化」です。

そもそもweb 2.0とは、インターネット技術の進歩によって、情報の流れが一方通行ではなく、相互に交通するようになったものです。
具体的には、コンテンツの作り手とユーザーが同一化している「Google maps」や「Wikipedia」などの登場です。

したがって、ヘルス2.0と言うからには、技術進歩などで環境が変わった結果、医療の価値観を変えるような事態が起きなければいけません。
どんなことが考えられるでしょうか。

これまで聞いた話では、患者情報を患者自身がアクセスできるようになった例や、患者会で情報交換が行われる例などが挙げられています。
しかし、なかなか医療全体に影響が及ぶ事態にはなっていません。

私が注目しているのは、身体情報の流れが変わるのではないか、ということです。
これまでは、患者の情報を医師が汲み上げて診断・治療にあたっていました。
しかし、各種センサーの発達によって、患者の情報がセンサーに集積される時代が来つつあります。
そうなると、医師の手を介さずに、または医師が汲み上げた情報さえもAIに集積する時代が来るかもしれません。

近いうちに診断学は、これまでと完全に異なる学問体系となるでしょう。
AIの目、感覚で人間を診察する際には、人間がみている世界とは違う指標を用いるでしょうから、医師がこれまで地道に築き上げた診断学は無意味となります。

例えば、関節を曲げる音、皮膚の色、まばたきの数、涙成分などが重要視されるかもしれません。
非侵襲的な診察がどんどん進化でき、患者さんにとっては有用になるでしょう。
出来る限り多くの変数をAIに組み込むことまでが人間の仕事でしょうか。

人間の医師の役割、それは患者さんの信頼をつなぐところでしょうか。