【Lancet】長生きにはなったが治らない病気も増えた
Lancet. 2015 Jun 5. pii: S0140-6736(15)60692-4. doi: 10.1016/S0140-6736(15)60692-4. [Epub ahead of print]
Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for301 acute and chronic diseases and injuries in 188 countries, 1990-2013: a systematicanalysis for the Global Burden of Disease Study 2013.
世界各国の疾病構造の変化について評価した論文です。
<内容>
病気や怪我の発症率、有病率、YLD(Year lived with disability: :総人口について人々の健康状態に生じた事故による障害によって失われた年数)を解析しました。
1990年にはYLDは5.37億年だったのが、2013年には7.65億年に増加しています。
そのほかたくさん記載がありますが、要は、寿命は伸びたが後遺症を抱えた人は増えた、という内容です。
<感想>
Bill & Melinda Gates Foundation、ビル・ゲイツ、メリンダ夫妻によって創設された世界最大の慈善基金団体だそうです。
こういうところに研究費を出しているのですね。
研究内容自体は大して新しいものではありません。
途上国では感染症などのcommunicable diseaseが多かったものが、都市化が進むにつれて生活習慣病などnon-communicable diseaseが増加します。
生活習慣病は根治することができないため、みんな後遺症・合併症を抱えながら生きることとなります。
このことを数字で評価したのがこの研究です。
目新しい物ではありませんが、きちんとエビデンスで示したところに意義があるのでしょう。