野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

【Lancet】腎盂腎炎に対するceftolozane/タゾバクタムの有効性

Ceftolozane-tazobactam compared with levofloxacin in the treatment of complicated urinary-tract infections, including pyelonephritis: a randomised, double-blind, phase 3 trial (ASPECT-cUTI)
複雑性下部尿路感染症または腎盂腎炎に対する新規抗菌薬ceftolozane/タゾバクタム合剤の治療効果をみた無作為化二重盲検の第三相試験

<内容>
複雑性下部尿路感染症または腎盂腎炎患者800人を、新規抗菌薬投与群とレボフロキサシン投与群に分けました。
治療後5-9日の臨床的治癒と細菌の除菌が達成できた割合は合剤群76.9%、レボフロキサシン群68.4%で、新規抗菌薬が有意に高くなりました。

マニアックですが、ceftolozane/タゾバクタムは、βラクタム系にβ-ラクタマーゼ阻害薬を配合したもので、β-ラクタマーゼ産生菌に対する効果が期待できます。
・・・とは言っても、すでにこの種の抗菌薬は、アンピシリン・スルバクタム(商品名ユナシン)、ピペラシリン・タゾバクタム(商品名ゾシン)など数多く存在します。これらに対する優位性が示せないと意味無いでしょうね。
実際、きっちりと治療したい場合や重症な場合は現在の第一選択はおそらくユナシンですので、これとの比較をしないと意味無いでしょう。まあ、ほとんど差が出ないでしょうが。ユナシン耐性などに対して使えるかもしれませんが。
レボフロキサシンとセフェム+βラクタマーゼ配合剤の比較なら勝てることが当然です。

<経済情報>
Cubistという会社が研究費を出しています。この会社は1月22日にメルク社へ買収されています。抗菌薬、しかもすでにある種類ですので、シェアを奪うとは考えにくいです。ゾロに対抗した新薬でしょうか。