野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

【BMJ】心血管治療デバイス研究はいい加減?

Selective reporting in trials of high risk cardiovascular devices: cross sectional comparison between premarket approval summaries and published reports

心血管疾患は、治療のために様々なデバイスを用います。
しかし、デバイスに関する臨床試験の多くが出版されていないということが報告されました。

<内容>
2000年から2010年までで、FDAにより市販前承認を受けた心血管デバイスについて調べました。
106のデバイスが見つかりました。177の臨床試験が行われ、そのうちの86(49%)の臨床試験(デバイスの種類は60)が2013年時点で出版されていました。
FDA承認から論文掲載までの期間の中央値は、6.5ヶ月でした。
86の臨床試験のうち、22 (26%)の臨床試験では、対象とした患者の人数がFDAのサマリーと論文で異なるものでした。
FDA書類と論文では、152のprimary end pointsのうち、3つ(2%)はsecondary end pointsで、43 (28%)は未分類、15(10%)は報告されていませんでした。
主要な結果について、69 (45%)は一致、35 (23%)では似ている、17 (11%)では実質異なる結果、31 (20%)では比較不可能という結果でした。

<感想>
Funding: This research received no specific grant from any funding agency in the public, commercial, or not-for-profit sectors.
この研究は、企業の研究費は入っていません。内容から考えてもそらそうか、という感じです。
目の付け所が面白いですが、結果も衝撃です。
FDAに提出した書類と臨床試験結果が異なることはままあるとしても、論文が発表されていない臨床試験が半分くらいあるとは…。