野生医師@経済的自立を目指す勤務医

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【Lancet】アロマターゼ阻害剤使用後の乳癌術後患者に対してデノスマブが骨粗鬆症予防に有効

 2015 May 29. pii: S0140-6736(15)60995-3. doi: 10.1016/S0140-6736(15)60995-3. [Epub ahead of print]

Adjuvant denosumab in breast cancer (ABCSG-18): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled trial.


閉経後乳がん患者の手術後にアロマターゼ阻害剤を使用すると、骨粗鬆症の危険が高くなります。
それに対して、デノスマブの有効性を確認した試験です。

アロマターゼ阻害剤を使用すると、エストロゲンの量が減ってしまうため、骨形成が減ってしまいます。
その結果、骨粗鬆症を発症してしまうリスクが高くなります。
アロマターゼはアンドロゲンからエストロゲンを生成するときに作用する酵素

それに対して、デノスマブは、以下の動画が見やすいですが、骨を破壊する破骨細胞の働きを止める作用があります。
従って、骨形成が低下した状態に対して、骨破壊も止めてしまって、骨粗鬆症を防げるのではないか?という内容です。




<内容>
半年ごとに60mgのデノスマブ投与をしたことで、骨粗鬆症の発生頻度は10%(176/1709人)から5%(92/1711)に低下しました。
重篤な副作用はありませんでした。

<感想>
この研究はAmgenによって資金提供を受けています。プラリアというデノスマブ製剤を販売していますので、当然です。
論文内容としては、特に新しい内容はありません。
まあ効くだろうなあ、という感じです。