野生医師@経済的自立を目指す勤務医

お金にこだわらず、趣味で勉強しながら医師をするために経済的自立を目指しています。年利10-20%を目標に運用しています。2020年は資産所得300万円/年を目指します。

高齢者の"見守り"サービスの問題点

救急搬送、高齢者増える
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO03570230U6A610C1NZBP00

よく目にするが、最近高齢者の救急搬送が増加しているらしい。
特に、軽症で呼ぶ例が増えているそうだ。

私が早晩問題になると考えているのが、高齢者の見守りサービスだ。
スマートメーター、IoTなどの普及で、多くの家電製品やガス、電気事業者が、高齢者の見守りサービスを始めている。
核家族化がすすみ、親と別居している子供にとっては安心になるし、ビジネスとしても発展するだろう。

しかし、これらのサービスは、「119番代行サービス」でしかない。例えば、電気メーターが24時間変動がない場合、アラートが事業者に届き、家族に連絡が行くかもしれない。しかし、電気事業者がわかるのは、電気利用状況が24時間変動がなかったことのみである。詳しい状況は直接訪問しなければならない。さらに、もし電気事業者がもしものときの訪問サービスも行っていたとしよう。家について声をかけるものの返事がない。

さて、どうするか。一事業者が、個人宅に勝手に踏み込むことはできない。自立して暮らしている以上はプライバシーは守られるべきだ。勝手に入れば住居侵入である。
警察に電話するだろうか?大家でもいいかもしれない。とまれ、合鍵が手に入って、家に入り、無事が確認できればよい。もし、おばあさんが倒れていたらどうするか。

この場合、患者を運搬するという役割を担いたがる事業者はいないだろう。受け入れ先の病院も決めなければいけないし、具合の悪い高齢者を運ぶほどリスクの高いことはない。自然、この役割は救急搬送に押し付けられる。

つまり、高齢者の見守りサービスというと聞こえはいいが、最もリスクの高い部分は結局公的な救急サービスに押し付けられてしまう。こうなると、"見守り"という言葉が大変無責任にも聞こえてくる。

見守りサービスを使って、「うちのおばあちゃんの反応がないようなんです。一日中ポットを使っていないなんてありえない!あ、うちは遠いので見にはいけません。とにかく急いで行って下さい!」という119コールを受けたとき、救急隊はどう対応するのだろう。