【書評】勤務医に不動産投資は追い風。だがその前に読むべき本
不動産投資の悪徳業者にフォーカスして、その手口を書いた本。
特に、不動産投資でカモにされやすい高所得サラリーマンや医師などの士業の方にはおすすめです。
業界の8〜9割は悪徳業者だと言われています。
実際、そのとおりでしょう。
まず大切なのは、その物件の相場、空室状況は必ず確認すること。
現地に行けばどのような住民層が住んでいるか分かります。
さらにネットでも、楽待などで同じ物件があれば売り出し価格は少なくともわかります(成約価格ではないので、実際に取引される価格はもっと安いことに注意)し、SUUMOなどで賃貸情報を調べれば、賃貸を募集している、つまり空室がどのくらいあるか分かります。
ついでに家賃相場も分かります。
そうすれば、現在の価格、利回りがどのくらい楽観的なものかが分かります。
これは心理学でも明らかになっていますが、人間はあまりに多額だと思考が鈍り、節約、値切るなどの交渉をしなくなります。
なので、野菜の数十円は値切るのに、割高なマイホームはぱっと見ただけで買ってしまうのです。
不動産投資においては、まず不動産業者との関係づくりが大事です。
そして、最初の一軒をよく吟味して購入しましょう。
さらに、その一軒が想定されていたキャッシュフローを生まないのであれば、そこで不動産投資から手を引くべきです。
間違っても、損失をカバーするためにもう一軒という考え方はやめましょう。
家賃収入がいくら増えても、借入返済額がそれを上回っていればキャッシュフローはプラスになりません。すると返済に苦しむことになります。
巷の不動産投資サイトでは家賃収入○千万などという数字が舞い踊っていますが、その人達の本当のキャッシュフローは誰にも分かりません。
このブログを読む方々は若い方々でしょうから、キャッシュフローがマイナスになるようなら投資はおすすめしません。
家賃1億円で返済額1億2千万円よりも、家賃120万円で返済額100万円の投資の方が目指す姿です。
それを損切りができず、同じ業者からさらに質の悪い物件を買わされることになると、どんどん損失が膨らんでしまいます。
色々書きましたが、勤務医や高所得サラリーマンなどカモにされやすい方々にとっては追い風な相場であることも事実です。
特に、スルガ銀行が絡んだ物件に関しては、割安で市場に流れてくることもあるようです。
そのなかで、属性の高い方々は他の金融機関も安心して融資をつけやすいので、取引もスムーズにいきます。
ただあくまでも投資は自己責任だということを忘れずに。
業者は取引成立で儲けています。長期でコミットしてくれる業者はあまりいません。(長期でコミットとはいえサブリースは最悪です。)
そこに気をつけてください。