【書評】椅子から立って歩こう『サピエンス異変――新たな時代「人新世」の衝撃』
この本は面白かった。
皆さんは、椅子がいつ広まったかご存知ですか?
なんと18世紀のビクトリア朝のときです。
産業革命後の工場労働によって、長時間労働を可能にするために椅子が広まりました。
このときって諸々社会の転機点ですね。
社会が豊かになったとも言えますが、産業革命による社会の変化が、人間をヒトから現代人に変わっていきます。
企業人として働くことが一般的になり、企業で働けるように公的教育が始まります。
そこで生まれたのが優生思想。
国民みんなに教育を提供しよう!そのためには教育に値しない子供を間引きしよう!という発想。
当初はこの思想を様々なエリートが賛成していた、というのが恐ろしいところ。
どんな思想も最初は「正しい」と思われることを目標としています。
それが悪用されたとき、濫用されたときを常に恐れておく必要があります。
話がそれました。現代がいかにヒトとして生理的に不自然な環境を強いているか、本書は教えてくれます。
これを読むと、少しは歩こうと思えると思います。
まずは1日10分から、お散歩することをおすすめします。